ピコレーザーの現状報告

講演会の最終報告です。

 

今回の研究会のテーマの一つがピコレーザーでした。

ピコレーザーと聞いて、分かる方とわからない方それぞれいらっしゃると思います。

ピコレーザーはもともとアメリカでタトウー専用のレーザーとして開発され、日本にも2~3年前に発売になりました。当初はシミがより取れるや治療後の黒くなる痂皮(かさぶた)の期間が短いと言われ、最近ではピコフラクショナルやMLAまたフォーカスレンズなどピコレーザーの先端を変え、毛穴、引き締め効果の可能性が学会で言われています。結果的にシミ治療後のかさぶたの期間は若干長めになることもあるような感じで使ってみると事前情報と違うこともよくあります。

そんなピコレーザーですが、日本では今7社から製品が出ております。

今回の会では日本で発売されるピコレーザーを4台展示していただきました。普段は離れて並ぶレーザー会社ですが(お客さんとの交渉を聞かれてしまうので嫌がられるみたいです。)、今回は会場が狭いこともあって4台が隣で並ぶというあまり見られない光景でした。(スーパーカーが4台駐車場に並んでいる感じです。)

私自身その中の3台を扱った経験があります。またその他にもピコレーザーの使用経験がある先生にご参加いただき、ざっくばらんな討論を行いました。正直学会やHPでは良い部分しかフォーカスされないので・・・・・現状でよく使っている先生はどう感じているか聞き出した感じです。

 

まず、結論から言いますと7台とも同じピコレーザーですが、中身と言いますか使った感触が全然違います。つまり効果も変わってきます。

シミを治療しやすいピコ

ホワイトニングに強いピコ

ハリに効かせやすいピコ

刺青に除去に強いピコ

 

などなどです。正直ハリは今までのレーザーでも効果を出せるので、これまでとは違うハリ効果があるのかの検討はこれからといった感じです。

 

今回の研究会で発表していただいた先生からはもっとシミやくすみが消えるかと思ったが・・・”夢の機器ではなかった”という印象的な言葉も。

 

実はピコレーザー今までのレーザーよりコントロールが難しくなっています。

少し出力を弱くすると弱すぎて、少し強くすると強すぎるといった感じです。レーザー機器としては可能性はあり、非常にいいレーザー機器ではありますが、使いこなすのが慣れていないと難しいです。

 

 

またシミ治療後の副作用に色素沈着(PIH)があります。PIHはシミが取れたあとに1ヶ月くらいしてシミが再発したように見えるものです。患者さんからしますと、同じように見えても実は全く異なるものです。

 

初期の頃はピコレーザーはPIHがほとんどないのではという情報でした。ただいまではピコレーザーでもPIH起こることはわかっています。

確かに弱い出力で打つとPIHは起きにくいですが、強い出力で打つと今までと同じように起きています。

しかし弱すぎると、シミがしっかり取れずに残ってしまうといった感じです。

ある程度出力を細かく調整できるピコレーザーだと、シミの除去もよくPIHも起きにくくなりそうですが、ピコレーザーの最新版でようやく細かく治療できるといった感じでピコレーザーもまだまだ発展段階です。

初期にピコレーザーを買われた先生方も最新版にバージョンアップしながらよりより治療をと言った感じです。

 

私自身もピコレーザーには非常に興味は高く今まで3つのピコレーザーを扱わせてもらっています。

ただ情報だけが先行して実態がわからなかったので今までずっと様子見をしてきました。

その中でピコレーザーができること、できないことも自分なりにわかってきました。(検討会でも繰り返し出てきましたが、夢の機器ではないという感じです。)

 

当院で行っているカスタマイズ治療にどのピコを導入すると患者さんの満足度が上がってくれるのか、その可能性がようやく見えてきた感じです。(デモで打たせていただいた方も良かった、変化なかったと賛否両論でした。つまり誰にでも効く機器ではないとのことです。)

 

正直、肌全体を綺麗にするならピコレーザー単独より当院のカスタマイズレーザー治療の方がいいと思います。

ピコレーザーの違いをもう少し検証して、今のカスタマイズレーザーをさらに向上させてくれるピコレーザーが何なのかをよく考えてみます( ^ ^ )/□

昨日も講演の際にどのピコがいいですかと質問をされました。

どのピコレーザーがいいかというより、自分がしたい診療に合うピコレーザーを選ばないと宝の持ちぐされになってしまう可能性があるなと感じています。